【プロフィール】

慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学整形外科学教室入局
整形外科診断学・セカンドオピニオン
脊椎脊髄疾患、骨関節外傷の初期治療で活躍


岩 本 靖 彦 

夏休みを利用して小学4年生になる息子をサッカークラブにいれることになりました。
しかし、聞くところによると少年のスポーツ障害がかなり発生しているとのことで、多少不安になっています。親として、どのようなことに注意してやればよいのでしょうか??



少年サッカーはますます盛んになり、子どもたちは未来のJリーガーを目指して練習に励んでいます。ただ、おっしゃるように練習がハードに成ると、成長期の子どもさんにいろいろなスポーツ障害が生じることが懸念されます。その中で最近増えているのが脊椎分離症です。
 この原因には内的因子と外的因子があります。内的因子としては、椎弓(脊椎の後方部分)の形成不全と、腰椎の前方への湾曲が強いことがあげられます。これらにより関節突起間部という場所にかかるストレスが大きくなるのです。そこに、スポーツという外的因子が加わってこの場所に脊椎分離を生じます。しかし、1回だけのスポーツ外傷あるいは動作で分離することはまれで、日々の練習の繰り返しによって起こります。
 初期症状は後ろに反り返る時の腰痛です。サッカーをする成長期の子どもさんが腰の痛みを訴えたら、脊椎分離症も疑うべきでしょう。放置すると手術が必要になることもありますので、早期発見と早期治療が大切です。早期に診断がつけば、完治します。
 意外と問題なのは勝負やレギュラーの座を意識する余り、子どもさんは痛みを隠すことがあり、それが早期治療を妨げます。親や指導者が『我慢しなさい』などというのは論外です。正直に『痛い』と言える環境を作ってあげることが親や指導者の責任といえます。しかし、なんと言っても未然に防ぐことが先決です。統計的には週11時間以上の練習時間になると起こりやすいという報告があります。腹筋や背筋の筋力トレーニングも正しく行わないと分離症のキッカケをつくることがあります。
 不明な点は、整形外科の専門医に相談すると良いでしょう。